発議案第6号 国民健康保険に対する国庫負担の増額を求める意見書
萩原陽子
藤崎良次
冨塚忠雄
五十嵐智美
工藤啓子
議決日:平成22年3月24日
議決結果:原案可決(起立多数)
国民健康保険は、健康で文化的な最低基準の生活を保障する日本国憲法第25条を医療面で具体化し、国民皆保険制度を実現するものとして1958年に制度化された。
現在、国民健康保険制度は無職者・年金生活者など低所得者の加入割合が増えると同時に、高齢化による医療費増大という問題を抱えている。被保険者の負担は組合健保や協会健保と比べ、同じ収入条件において2倍から3倍になっており、しかも、このような保険間格差だけではなく、自治体の財政力等による地域間の保険料格差も3倍以上となっている。
自治体は低下する税収や三位一体の改革による厳しい財政状況の下で、国保財政に対する柔軟性を失い、その運営に苦しんでおり、他方、加入者は雇用の劣悪化などによる収入減の直撃を受けるなど、高い保険料が滞納世帯の増大を生み出す結果となっている。短期保険証や資格証明書の発行が医療機関への受診を遠ざけ、皆保険の足元が崩れていると言える。
国民健康保険の主な財源は、国・都道府県及び保険者の負担金と被保険者の支払う保険料から成り立っているが、国の負担率を下げたことが、保険料に大きく影響することとなった。1984年までは「かかった費用の45%」が国庫負担であったが、現在は38.5%に引き下げられ、さらに、市町村国保の事務負担金の国庫補助が廃止された。その結果、総収入に占める国庫負担の割合は3割にまで減らされ、保険料を押し上げる結果となっている。
よって本市議会は、国において、国民健康保険制度を真に社会保障として存続させ、加入者が安心して必要な医療を受けられるよう、下記の事項について強く要望する。
記
一、市町村国民健康保険への国庫負担を見直し、増額すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年3月24日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
総務大臣 宛
厚生労働大臣
財務大臣