発議案第2号 普天間基地問題を沖縄県民の新たな負担なしに解決することを求める意見書
冨塚忠雄
藤崎良次
五十嵐智美
萩原陽子
工藤啓子
議決日:平成22年3月24日
議決結果:否決(起立少数)
世界一危険な基地と米国すら認識している宜野湾市にある普天間基地撤去は宜野湾市民や沖縄県民の願いである。
普天間基地に限らないが、本土の米軍基地と異なり、沖縄米軍基地は住民を戦車とブルドーザーで排除してつくられたものである。そしてその基地群は日本防衛に名を借りた米軍の出先基地であり、朝鮮戦争やベトナム戦争は言うに及ばず、イラク戦争などにも出撃基地の役割を果たしてきた。海兵遠征部隊はあくまでも殴りこみ部隊であり、最近の宜野湾市の発表によると、1年の半分は豪州を初めとする西太平洋の同盟国との合同演習に遠征しているという。
一方、言うまでもないが、宜野湾市などでは米兵の犯罪が絶えず、住民は日常的な爆音被害や事故の危険と背中合わせでの生活を強いられてきた。われわれはこれ以上、同じ国民の犠牲を見て見ぬ振りをするわけにはいかない。
世界的な米軍再配置の中で普天間基地の移転が焦点になっているが、それはヘリ部隊を含む海兵遠征隊のグアム移転に伴うものである。ヘリ部隊が移転するのに、代替基地をつくれと言うのは論外であり、あまりに危険な普天間基地の存続は不可能なので、別の場所に最新鋭基地を確保したいということ以外にない。それは基地建設も維持も日本国民の税金でまかなわれるという経済的な背景からもくるといえる。
現在、連立政権は米国の思惑の範囲で解決しようとしているが、それは沖縄県民の民意と大きく異なる。昨年の総選挙で県外移設を沖縄県民に約束し、沖縄県でも大勝した政権は県民の民意に従うべきである。その民意は名護市長選挙でも再確認されている。
連立政権はこの際小手先の解決ではなく、普天間基地撤去などを前面に掲げて米国と交渉すべきである。そのことによって新たな日米関係を構築すべき気概を示すべきである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年3月24日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
外務大臣
内閣官房長官 宛
防衛大臣
財務大臣