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議員提出議案

詳細情報

議案名

発議案第1号 最低賃金法の抜本改正と安定雇用の創出、中小企業支援策の拡充・強化を求める意見書

提出者

経済環境常任委員長
岡村芳樹

本会議議決結果

議決日:平成22年3月24日
議決結果:原案可決(起立全員)

内容

 中小企業・業者をめぐる経営環境は一向に好転せず、急激な円高の進行とデフレにより「二番底」が懸念される事態となっている。
 景気の急速な悪化を受け、企業経営も労働者の暮らしも、深刻な事態に直面している。ここにきて輸出産業大手は業績を回復させつつあるが、その波及効果は弱く、国内の景気回復には内需主導型経済への転換が決定的に重要である。鳩山政権は予算を大幅に組み替え、緊急雇用対策や中小企業対策を打ち出している。状況は深刻化しており、施策の早急な実施が求められている。
 過去数年続いた好況期、日本ではワーキング・プアが急増し、労働者の3分の1超が年収2百万円未満である。彼らは、各産業の各現場で懸命に働き、企業利益に貢献したが、低賃金ゆえに十分な貯蓄もできず、生活困窮に陥っている。今の最低賃金は、最も高い東京で時給791円、低い地方では時給629円であり、底支えというより、賃金抑制の役割をはたしている。これでは内需が冷え込むのも当然である。
 最低賃金の引き上げは、貧困対策のみならず、景気刺激策としても有効である。低所得層ほど消費性向は高く、身の回りの衣食関連財など中小企業の製品を地域で購入する傾向が強いからである。消費財やサービスへの需要が増えれば、それが雇用拡大につながる。また、低賃金の改善は、転職の減少と仕事の質の向上、採用・新人研修コストの削減、生活保護受給の抑制と社会保険料の支払い手の増加などの効果をもたらす。こうした様々なメリットをふまえ、中小零細企業に対する支援策を併行して進めながら、最低賃金の引き上げを着実に実現していくべきである。
 下請け企業の実情からいえば、不当な単価引き下げ圧力のもとで、いかにして適正単価を確立するかが大きな課題となっており、最低賃金の引き上げとあわせ、公正取引ルール確立が求められている。最低賃金を生活保障水準に引き上げ、企業間取引の力関係や、競争入札の力学の中でも貧困が生み出されないようにし、適正利潤を含んだ単価設定が可能となる経済社会を実現するべきである。
 労働基準法は、第一条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とし、最低賃金法は、最低賃金と生活保護との整合性をうたっている。
 よって、本市議会は、国において、最低賃金を大幅に引き上げ、働く貧困層をなくし、早急に日本経済を景気回復への道へと導くため、下記の内容を早期に実行するよう強く要請する。



一、政府は、ワーキング・プアの根絶と地域格差の是正をはかるために、最低賃金千円と全国最低賃金制度を実現する最低賃金法の抜本改正を行うこと。
二、政府は、上記の法改正と併せて、中小企業支援策の拡充と下請取引適正化のための制度改善を実施し、まともな単価で公正取引が行なわれる経済環境を実現すること。
三、政府は、企業に対し、労働者の雇用維持と安定雇用の創出を求めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年3月24日
佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
厚生労働大臣      宛

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