発議案第7号 新要介護認定制度の中止・介護保険制度の改善を求める意見書
文教福祉常任委員長
山口 文明
議決日:平成21年9月30日
議決結果:原案可決(起立多数)
「こんなはずではなかった」介護の社会化≠めざしてスタートした介護保険制度十年目の現実である。介護報酬はわずかではあるがはじめて引き上げられ、一方で利用者にとっては介護保険の給付を受けるため必ず通らなければならない「入り口」である要介護認定のしくみが全面的に見直された。新しい要介護認定制度では、寝たきりの人を「自立(介助されていない)」と同様に判定するなど、必要な介護が受けられなくなることが危惧されている。介護利用者や施設にとっては、要介護度が下がれば減収につながることになる。多くの関係者から「介護度が軽くなっている」、「凍結」「中止」を求める声があがり、厚生労働省は「実施後も検証を行い必要があれば迅速に見直す」といわざるを得ない事態となっている。
いま、「保険あって介護なし」の現実がいっそう広がり、地域の介護は崩壊の危機にある。
十人が犠牲となった群馬県の高齢者入所施設での火災は、低所得の人が入れる施設がない実態を明らかにした。「介護心中・殺人」も増加している。「ふところ具合と相談して介護サービスをあきらめた」「低賃金で働き手がいない」「事業者も経営を続けられない」などの批判は大きくなるばかりである。費用負担の心配なく、必要な介護が保障されることは全ての国民の願いである。そして、それを支える介護職員がその専門性を高め、誇りをもって働くことのできる環境整備か急務である。また、介護・社会保障の充実は、雇用、内需を拡大させ、地域の活性化にもつながる。
よって本市議会は、国に対して、介護保険制度の改善を求め、左記の事項を要請する。
記
一、新要介護認定制度を中止すること。
二、国の介護・社会保障費を大幅に増やし、介護報酬を引き上げること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年9月30日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
総務大臣 宛
財務大臣
厚生労働大臣