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議員提出議案

詳細情報

議案名

発議案第5号 細菌性髄膜炎を予防するワクチンの早期定期予防接種化を求める意見書

提出者

文教福祉常任委員長
山口 文明

本会議議決結果

議決日:平成21年9月30日
議決結果:原案可決(起立多数)

内容

 細菌性髄膜炎の日本での患者数は、毎年約千人にのぼると推定されている。その約六割強がインフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)によるもの、約三割が肺炎球菌によるもので、この二つの起因菌によるものが全体の約九割を占めている。
 細菌性髄膜炎は早期診断が大変難しい疾病である。治療には起因菌に有効な抗生物質を高容量投与するが、近年、特にヒブの薬剤に対する耐性化が急速に進んでおり、適切な治療が難しくなってきていることが指摘されている。
 細菌性髄膜炎は非常に予後の悪い疾患であり、迅速な治療が施されても、ヒブの場合で三〜五%、肺炎球菌の場合で十〜十五%の患児が死亡している。生存した場合でも十〜二十%に脳と神経に重大な損傷が生じ、水頭症、難聴、脳性まひ、精神遅滞等の後遺症を引き起こしている。
 ヒブと肺炎球菌による細菌性髄膜炎はワクチン接種にて予防することができる。ヒブワクチンは133カ国で定期予防接種とされている。肺炎球菌についても肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)が世界93カ国で承認され、米国やオーストラリア等35カ国で定期接種されている。これらのワクチンを定期予防接種化した国々では発症率が大幅に減少している。
日本では昨年12月に待望のヒブワクチンが導入された。しかしながら任意接種で開始されたため、四回接種で約三万円全額が保護者負担となり、経済的な理由で接種を躊躇することも危惧され、一日も早い定期接種化が重要となっている。また、現在日本で承認されている肺炎球菌ワクチン(二三価多糖体ワクチン)は、免疫力の未熟な乳幼児には効果が期待できず、乳幼児に使用できる肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)は日本では現在、承認待ちの状況で早期導入が強く求められている。
 早期発見が難しく、迅速な治療を施しても予後が悪く、さらに菌の薬剤耐性の高まりによる治療の困難化が指摘されている細菌性髄膜炎は、早期に定期予防接種化することが重要である。
 よって、本市議会は、国会および政府において、左記項目の具体化をはかるよう強く要請する。

                     記

一、速やかにヒブ重症感染症(髄膜炎、喉頭蓋炎、および敗血症)を予防接種法による定期接種対象疾患(一類疾病)に位置づけること。
二、肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)の早期薬事法承認のための手立てを講じること。
 
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年9月30日

佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣              宛
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長

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