発議案第4号 青森県六ヶ所村核燃料再処理工場本格稼動による放射能汚染から食品の安全・環境・生産者を守るための法整備を求める意見書
総務常任委員長
森野 正
議決日:平成21年6月29日
議決結果:否決(起立少数)
今年、アメリカのオバマ大統領が核軍縮と拡散防止に向けた取り組みを始めることを宣言した。そして、核の平和利用に関しても新たな枠組みが必要だと述べている。核拡散防止条約を強化するためのいくつかのルール作りへの提唱に日本政府も賛同している。しかし、日本国内では、法整備やセイフティネットが不十分なまま、原子力発電所や核燃料再処理工場が稼動しようとしている。
青森県六ヶ所村にある「六ヶ所再処理工場」は、国内の各原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料から、燃え残りのウランとプルトニウムを取り出す化学工場である。「六ヶ所再処理工場」は、本格稼動時、民生用では世界最大規模の年間八百トンもの使用済み核燃料を処理し、その過程で、原子力発電所が一年間で排出する放射能をたった一日で大気中や海に放出する。放出された放射能は、消えることなく空と海の両方に広がり、東北地方はもとより東日本全域が、放射能汚染の直接的な脅威にさらされ、千葉県も例外ではない。
「再処理とめよう!全国ネットワーク」が、二〇〇二年、工場の沖合三キロメートルの放水管上の海面で、一万枚のはがきを流す実験を行なっている。結果は、青森県を除く東北地方よりも、茨城県沖が最も多く、遠くは房総半島の先端、千倉町まで到達している。有数な水産県である千葉県の漁場も、放射能汚染の最も近いところにあると言っても過言ではない。
六ヶ所村核燃料再処理工場が本格稼働することになれば、放射能汚染による環境への甚大な被害が生じるとともに、私たちの命に直結する食の安全性も脅かされることになる。
よって、本市議会は千葉県と国に対して左記について要望する。
記
二〇〇六年、岩手県の十市町村議会では、「放射能海洋汚染放出規制法」(仮称)の制定請願を採択している。千葉県や国においては、条例、法整備を行うこと。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年六月二十九日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣 宛
経済産業大臣
環境大臣
千葉県知事