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議員提出議案

詳細情報

議案名

発議案第2号 物価上昇に見合う年金引上げ、年金制度改善を求める意見書

提出者

総務常任委員長
森野 正

本会議議決結果

議決日:平成21年6月29日
議決結果:原案可決(起立多数)

内容

 「百年に一度」とも言われる「未曾有の経済危機」のもとで、非正規雇用労働者・ワーキングプアの存在を放置すれば、将来に無年金・低年金者を増大させ、健全な社会・経済の発展にとって重大な禍根を残すことになる。
生存権は憲法が保障する政治の最優先課題である。最低生活を保障する「最低保障年金制度」の確立は今や国民的合意であり、本議会は二度にわたり意見書を採択している。政府や財界などは「年金や社会保障の財源には消費税しかない」との方針を掲げている。しかし、高齢者や低・無年金生活者にとっては預金や投資などに使う余裕はなく、すべて消費税の対象となる日常品にのみお金が使われる。所得の再配分原則にてらし、消費税を年金財源に求めるのは不公平である。今後の論議を注目せざるを得ない。
本来、年金は物価の上昇に見合って引き上げられるべきものであった。しかし、二〇〇四年に導入された「マクロ経済スライド」と「物価スライド」の「改定」で、物価が上昇しても年金支給水準を引き上げない仕組みになった。総務省調査は二〇〇八年度中の消費者物価指数を二%弱と推定し、一方、日銀による二〇〇八年九月の生活実感調査は十二・四%と推測している。本年度中には基礎年金の国庫負担を、三分の一から二分の一に引き上げることが義務づけられているが、結果として、政府は二〇〇九年度の年金は上げなかった。いまや、高齢者にとって食料品など生活必需品の物価高騰に見合う年金増額と、無年金・低年金者に対する緊急の「生活支援」は切実な願いである。
また、年来の社会保険庁の業務怠漫ともとれる「消えた・消された年金」は、訂正処理に見通しが立たず、未解決のうちに死亡してしまう事例さえあり一刻も猶予はない。加えて、あいつぐ税金控除の削減や社会保険料の引き上げなどで年金所得は激減している。
現役世代に安定した雇用と賃金を保障するとともに、高齢者にも応分の購買力を保証することは、地域を活性化させ内需を拡大し、健全な日本経済発展の原動力になることは、自明の理であり国民の共通認識である。
よって本市議会は、政府と国会が左記事項について、必要かつ十分な措置を執るよう強く要請するものである。

                     記

一、すべての年金支給額を三%引き上げること。緊急措置として年金月額が八万円未満の無年金・低年金者に、当面「生活支援金」として八万円に達する額を支給すること。
一、消費税によらない最低保障年金制度を確立すること。
一、「消えた年金」は国の責任で完全に解決し、速やかに支払うこと。
一、公的年金控除・老年者控除などを元に戻すこと。


右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。


平成二十一年六月二十九日
                                   佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
厚生労働大臣   宛
衆議院議長
参議院議長

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