発議案第2号 金融不況対策において雇用や中小企業の安定を前提に打開策をはかることを求める意見書
冨塚忠雄
藤崎良次
入江晶子
兒玉正直
議決日:平成20年12月22日
議決結果:否決(起立少数)
米国発のサブプライムローン問題に端を発して世界中が証券をはじめとする金融不信に陥り、そのことによって経済は一気に不況局面に変わり、しかもその底が見えない未曾有の危機だと不安感が増している。
すでに各国政府は金融対策などのてこ入れを始めている。しかし、その対策において重要なのは何よりも雇用の安定と中小企業の存続である。アメリカ流のグローバリズムの下で、富の集中が進み、景気拡大時期にあっても雇用は非正規雇用の増大でしかなく、中小企業も景気の恩恵に浴してこなかった。
しかし、いったん不況となると真っ先に犠牲になるのは労働者の雇用であり、中小企業である。すでに続々と派遣等の非正規労働者の雇用が打ち切られる報道が続いている。また、契約を打ち切られたり、資金繰りに苦しむ中小企業の現状も報道されている。
かつて米国による執拗な構造改革によって日本の金融システムは護送船団方式と批判され、根底から変えられてしまった。自己資本比率目標によって間接金融から直接金融に根本的に変えられた。そのことによってモノづくりよりカネがカネを生む投機がもてはやらされる風潮を招き、雇用も非正規雇用がまかり通るようになっている。
今次不況対策においても同じことが繰り返されるならば、安定した雇用はますますなくなり、中小企業の切り捨てにつながる。それらの結果として年金等の社会制度はますます制度の基盤を掘り崩されるのは必至である。
よって、本市議会は政府に対し、不況対策において雇用と中小企業の存立基盤の安定を優先させるよう、左記事項について強く求めるものである。
記
一、労働者の雇用を守るためにリストラに歯止めをかけるとともに、雇用保険制度の六兆円の積立金を活用して失業した労働者の生活保障と再就職への支援を行うこと。
二、貸し渋りや貸しはがしなどをやめさせて中小企業の資金供給を担保すること、及び円高によるツケを中小企業に転嫁しないこと。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年十二月二十二日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 宛
通商産業大臣