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議案名

陳情第20号 最低賃金の大幅引き上げを求める陳情

受理日

受理日:平成20年5月21日

付託委員会


付託委員会:経済環境
付託日:平成20年6月16日
審査日:平成20年6月25日
審査結果:不採択 (賛成少数)

本会議議決結果

議決日:平成20年6月30日
議決結果:不採択(起立少数)

内容

働いても最低限の生活すらままならない「ワーキング・プア」問題が深刻化しています。女性や青年では半数が低賃金・不安定雇用で、「暮らしていけない」「結婚できない」「子どもを育てられない」と悲鳴があがっています。貧困の放置は、消費低迷や少子化の進行、地域経済の低迷、企業における技術力の喪失、家庭崩壊、社会保障の崩壊、社会不安の醸成等を連鎖的に引き起こし、この国の未来を危くします。 
こうした危機感も背景に、先の国会では改正最低賃金法が成立し、最低賃金は「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮」して決定することになりました。しかし、千葉県の現行最低賃金706円では月160時間働いたとしても月収112,960円にしかならず(「毎勤統計」平成18年年報における事業所規模5人以上の一般常用労働者・所定内労働時間は157.1時間)、千葉市や船橋市などにおける18歳単身世帯の生活保護基準を大きく下回ります(冬季加算と期末一時扶助の月当り換算額、および勤労控除を加味して月152,260円、これに総務省「家計調査」に基づき税・社会保険料分を18%加味すると月179,667円)。したがって、改正法の趣旨に従えば、最低でも年収200万円水準にあたる時給1,000円以上は必要ということになります(上記の生活保護基準額=179,667円と所定内労働時間=157.1時間で計算すると、時給は1,143円)。
 最低賃金の引き上げによる低賃金構造の抜本的な改革は、均等待遇実現にあたっての賃金水準の底支えや、中小企業の下請単価の底支え・適正利潤確保、地域の格差是正と景気回復をはかるために必要不可欠です。国会審議でも、「最賃は1,000円以上に」「全国一律最賃制を」との主張もあり、与党も「先進国で最低水準の日本の最賃をあげるのは当然」と意見を出しています。 以上の趣旨から、下記事項について、地方自治法第99条にもとづいて、政府に対する「意見書」を提出していただくよう陳情します。

【政府へ要望していただきたい事項】
1.今年度の最低賃金については、改正法にもとづき、地域別最低賃金は、健康で文化的な最低限の生活を営むために必要な生計費を基本に、勤労にともなう経費と税・社会保険料負担分を加えた金額に改定すること。当面の目標として、「時間額1,000円」を実現すること。単年度での達成が困難な地方には、到達計画を作らせること。
2.最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
3.最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を増員し、監督行政の強化をはかること。

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