陳情第17号 ワーキング・プアも過労死もない社会をめざす陳情
受理日:平成20年3月6日
付託委員会:経済環境
付託日:平成20年6月16日
審査日:平成20年6月25日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成20年6月30日
議決結果:不採択(起立少数)
雇用労働者の3分の1を占める「非正規」社員は、有期、派遣、請負、委託などの契約によって、突然雇い止めされる不安にさらされ、正規と同じ仕事をしても差別的な低賃金に抑えられています。今や「ワーキング・プア(働く貧困層)」は1千万人を超え、生活設計どころか今夜の宿代も払えず、ホームレスとなる人も増えています。他方、正社員の4人に1人は健康を損なうほど、長時間働かされ、仕事に追われて過労死や自殺に至る人もいます。
経済大国日本では、長時間労働、低賃金・不安定雇用、中小企業への単価切り下げなどを踏み台に、一部の大企業だけが莫大な利益をあげています。ワーキング・プアも過労死も待遇の差別もなく、まともな働き方ができる社会をめざし、最低賃金を引き上げ、長時間労働をなくして雇用機会を増やし、不安定雇用の温床である派遣や有期契約を規制することが必要です。同時に、「税金でワーキング・プアを生み出す」ことが無いよう、いわゆる「公契約」の下で働く労働者の雇用安定と適正な賃金・労働条件の確保は、国や自治体の社会的責任です。
以上の趣旨から、下記事項について、地方自治法第99条にもとづいて、政府に対する「意見書」を提出していただくよう陳情します。
【政府へ要望していただきたい事項】
1.最低賃金は、全国どこでもだれでも時間額1,000円以上とすること。
2.有期契約は、臨時の業務や特定の労働者の代替など合理的な理由がある場合に限ること。継続的な仕事への就労は、「期限の定めのない雇用契約」にすること。
3.派遣労働は、臨時的かつ専門性の高い業務に限定し、派遣先の正社員との均等待遇を義務付けること。登録型派遣は禁止すること。
4・残業代の割増率を5割に引き上げ、月45時間・年間360時間を超える残業は禁止すること。有給休暇の100%取得を使用者に義務付けること。
5・公共調達や公共事業で働く労働者に適正な賃金・労働条件を保障する「公契約法」を制定すること。