陳情第7号 「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書」採択を求める陳情
受理日:平成19年8月22日
付託委員会:文教福祉
付託日:平成19年9月10日
審査日:平成19年9月18日
審査結果:採択(全員賛成)
議決日:平成19年10月1日
議決結果:採択(起立全員)
【陳情事項】
平成20年度(2008年度)予算編成にあたり「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書」を貴議会において採択していただき、政府及び関係行政官庁あてに意見書をご提出いただきたくお願い申し上げます。
【陳情理由】
貴議会におかれましては、日ごろより学校教育への深いご理解とご配慮をいただき深く感謝申し上げます。
義務教育は、憲法の要請に基づき、子どもたち一人ひとりが国民として必要な基礎的資質を培うためのものです。教育の全国水準や機会均等を確保する義務教育の基盤づくりは、国の責務であり、そのために設けられたのが義務教育費国庫負担制度です。
しかしながら、「三位一体」改革の論議の中で、2005年11月に義務教育費国庫負担制度の見直しが行われました。その内容は、義務教育費国庫負担制度は堅持するが、費用負担の割合については、2分の1から3分の1に縮減するというものでした。政府は、教育の質的論議をぬきに、国の財政状況を理由として、これまでに義務教育費国庫負担制度から対象項目をはずし、一般財源化してきました。今後、3分の1とした国庫負担金の割合が、恒久措置ではなく、制度全廃も含めた検討がなされる可能性もあります。
現在、30人学級などの学級定員規模を縮小する措置が、都道府県単費で行われています。このように、現行制度でも自治体の裁量権は保障されています。しかし、国民に等しく義務教育を保障するという観点からいえば、財政的に最低保障として下支えしている義務教育費国庫負担制度は必要不可欠です。この制度が廃止され全額都道府県に税源移譲がされた場合、7都府県を除いて現状の国庫負担金を下回る金額となることが明らかとなっています。多くの県では財源が確保できずに、「40人学級」など現在の教育条件の維持が危惧されます。このように、義務教育費国庫負担制度が廃止された場合、義務教育の水準格差が生まれることは必至です。
学校の基幹職員である学校事務職員・学校栄養職員を含め、教職員の給与を「義務教育費国庫負担制度」から適用除外することは、「義務教育費国庫負担法」第一条に明記されている「教育の機会均等とその水準の維持向上」という目的に反するばかりでなく、財政負担を地方自治体に課し、厳しい地方財政をさらに圧迫するものです。また、義務教育の円滑な推進を阻害するおそれも出てきます。よって、私たちは義務教育費国庫負担制度の堅持を強く要望します。
貴議会におかれましても、本陳情の趣旨についてご審議いただき、議決の上、政府及び関係行政官庁あてに意見書を提出していただきたくお願い申し上げます。