陳情第37号 地方交付税制度の財源保障機能を堅持し、充実させる陳情
受理日:平成18年5月26日
付託委員会:総務
付託日:平成18年6月12日
審査日:平成18年6月16日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成18年6月23日
議決結果:不採択(起立少数)
地方交付税制度の財源保障機能を堅持し、充実させる陳情書
日頃より住民福祉の向上にご努力されていることに敬意を表します。
現在、経済財政諮問会議は、2010年代初頭までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化をめざすとし、「歳出・歳入一体改革」を議論しています。与謝野金融・経済財政担当大臣の中間とりまとめでは、「歳出削減」の一環として「歳出の大胆な削減、基準財政需要額の見直し、現在の基準を見直すことによる不交付団体数の増加を始めとする地方交付税制度の改革等を加速する」としています。竹中総務相は、「地方交付税は6兆円減可能」(3月29日経済財政諮問会議)と試算しており、この歳出削減については、6月に出される骨太方針2006の中に反映されます。
地方分権21世紀ビジョン懇談会の中間とりまとめでは地方交付税制度について、地方の職員配置基準を廃止・縮小するなど、地方交付税で財源保障する機能を小さくしようとしており、大幅に簡素化して「人口と面積」で配分することに言及しています。そしてまた財政制度等審議会では、歳出削減の一環として地方交付税の法定率を引き下げる提言をする方針です。
国の借金は、90年代に国の景気対策のために発行されたものであり、地方の借金もそれに協力してきた結果です。なぜ借金が増えたのかを不問にしたまま、その対策を講ずることは、間違った結論に導きかねません。
地方交付税は地方の固有財源であり、国の借金の付けまわしとして、しかも地方の代表者もいれずに「改革」するというのは許されません。地方交付税制度は、憲法で地方自治体に保障された「財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する」ことを実現するためのものであり、その削減は住民のくらしや福祉のためのサービスを切り捨てるものです。
地方の事務の中で国が法律で義務付けているものは、消防や保育所など住民のくらしに密接にかかわるものです。国が義務付けているならば、その財源の保障を削るべきではありません。
地方交付税は、地方自治体と住民サービスの命綱とも言うべきものです。以上のことから、次のことについて、政府に求める意見書を採択していただきますことをお願いします。
記
1 地方交付税制度は、財源保障機能と財政調整機能を併せ持つ制度として充実させること。
2 国の財政の歳出削減の一環として、地方固有の財源である地方交付税を一方的に削減することをやめること。
3 決定のプロセスに地方の代表者の参加を保障し、「法定率」の引き上げを含め地方交付税の充実を行うこと。
2006年5月26日
佐倉市議会議長 壇谷 正彦 様