陳情第25号 「佐倉市はりきゅうマッサージ等施設利用券制度」改定に対する陳情
受理日:平成17年8月24日
付託委員会:文教福祉
付託日:平成17年9月12日
審査日:平成17年9月20日
審査結果:不採択(可否同数)
議決日:平成17年9月30日
議決結果:不採択(起立少数)
平成17年8月24日
佐倉市議会議長 押尾豊幸 殿
佐倉市東洋医療組合
東洋医療に親しむ会
利用券制度を守り発展させる会
「佐倉市はりきゅうマッサージ等施設利用券制度」改定に対する陳情書
鍼灸、あんま、指圧、マッサージ等の東洋医療は国の保険制度(療養費)の適用が制限されています(現行は医師の同意書、診断書が必要、特定疾患に限定)。利用者の方々の負担が軽減されるよう、昭和58年から請願、市民による署名運動を重ねた結果、昭和63年より「佐倉市はりきゅうマッサージ等施設利用券制度」(以下利用券制度)が施行されました。
その後、いくつかの改善運動を経て、平成9年より市内在住、60歳以上の方、18歳以上の身体障害者手帳または療育手帳を持つ方が1回につき1000円、年間24枚までの利用券が発行され、助成を受けることができるようになりました。
ところが、平成16年4月に突然、利用券は月2枚ずつという制限がつき、また、平成17年4月には、1回1000円の助成額が1回600円に引き下げられてしまいました。
平成16年6月の市議会の会議録によると、兒玉議員の「改定は不合理ではないか。」との質問に対し、渡貫市長は「健康の保持増進という目的から、月2枚ずつの利用がよい。」と答え、河野福祉部長は「まとめて利用する場合は、医療保険を使ってもらいたい。」「平成15年度は3367人に発行し、26,512枚の実績があり、平成14年度と比べ、発行人数で16%、利用枚数で15%の増加となっており、市の財政状況から考え、今後さらに見直しの検討が必要。」と答弁しています。
これに対し、私たちはこう考えます。人間の体調は一定ではありません。季節の変わり目や突発的な疲れなどで急に体調が悪くなり、何度も治療院に行く月もあるし、あるいは旅行や外出、また入院等の理由により、利用券を使わない月もあるわけです。市が月別枚数を制限するのではなく、年単位でとらえ、健康の維持増進のためには、あくまでも利用者の意思が尊重されるべきだと思います。
月3回以上の治療の場合は医療保険を、ということについては、先に述べたように、保険適用の制限があり(証明書を書いてくれる病院や医師も限られているのが実情です)、国の制度が整っていない現状について市の認識が足りないと感じます。また、医療保険を使えば、市にとっては、国民健康保険からの支出が増えます。
利用券制度は本来、市民の福祉と健康増進のためにつくられた制度です。利用が増えるというのは、それだけ市民に広く受け入れられている証拠であり、より発展させたいものです。今回のように一方的に月別制限され、なおかつ1000円から600円に引き下げられるようなことがあっては、誰一人として喜ぶ人はいません。差額は個人負担となり、年金暮らしの高齢者や障害者の家庭に出費を強いることになり、これでは福祉に反します。
税金の適正運用の観点から、市の予算削減は大事なことではありますが、佐倉市の平成15年度の一般会計の歳入は約434億円で、利用券制度にかかる割合は、わずか0.06%にすぎません。この小さなところを削って、一体何の得になるのでしょうか。制度を改悪することにより、利用券制度そのものを廃止しようとしているのではありませんか?(八千代市では今年度より廃止されました。)
近隣の市町村の例をあげても、佐倉市の福祉がいかに低いかがわかります。
(平成17年度より)
年齢 助成額 利用券の枚数 月別制限
千葉市 60歳以上 800円 24枚 制限なし
四街道市 60歳以上 800円 24枚 制限なし
成田市 55歳以上 1000円 24枚 制限なし
酒々井町 65歳以上 800円 24枚 制限なし
八街市 65歳以上 1000円 24枚 制限なし
富里市 50歳以上 700円 24枚 月4枚まで
佐倉市 60歳以上 600円 24枚 月2枚まで
八千代市 今年度より廃止
今回の利用券制度改定による市の姿勢を支持するわけにはいきません。なぜ佐倉市はこういうことをするのかという市民の声も高まっています。税金の適正運用と福祉の充実を願い、利用券制度に関し、
@月2枚までという利用制限をとりやめる
A助成額を1000円に戻す
以上2点を陳情致します。
以上
代表
佐倉市東洋医療組合 組合長
向後 進
東洋医療に親しむ会 会長
千代島 佐和
利用券制度を守り発展させる会 会長
井原 とよ