陳情第10号 佐倉市立幼稚園の閉園方針に関する陳情
受理日:令和6年8月9日
付託委員会:文教福祉(不採択・賛成少数)
付託日:令和6年8月26日
審査日:令和6年9月10日
議決日:令和6年9月25日
議決結果:不採択
【陳情趣旨】
令和6年度7月教育委員会会議にて可決された、「佐倉市立幼稚園のあり方に関する方針」について、佐倉市立幼稚園を令和8年3月31日に閉園すること及び令和7年度新入園児募集を行わないことの撤回をお願いいたします。
【陳情理由】
昨年度から今年度にかけて行われた「あり方検討会議」の検討や市民向けアンケートは閉園ありきのものが多く、調査も検討も不十分であり明らかに瑕疵があると言えます。
昨年度佐倉市立幼稚園3園(佐倉、和田、弥富)の閉園方針が市議会に上程され、結果保守三会派によって対案『和田・弥富幼稚園については令和6年3月31日をもって廃止し、佐倉幼稚園については、令和6年4月1日から1年を目途に、運営状況等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる。』が提出され賛成多数で可決しました。
しかし、「令和6年4月1日から1年を目途に」という文言を無視するかのように今年度の検討はたった3回しか行われず、前年度を通しても計6回で終了してしまいました。
過去公立保育園の民営化に伴う方針策定の際は、約2年の歳月をかけ検討を行っていたのに、公立幼稚園に関しては昨年度も今年度も大変短い検討期間かつ、会議に市民の出席もありませんでした。
昨年度の「あり方検討会議」では無作為抽出の市民2,000人に対するアンケートが行われ、これをもって教育委員会は「市民の意向を調査した」と回答をしていますが、その内容は偏向的であり、公平性に欠けるものでした。
実際アンケートの自由記述には多数の市民からも「恣意的な設問と感じた」「閉園は致し方ないと思わせる内容である」等の意見が寄せられていました。
さらに令和6年4月には、令和6年度4歳児になる子どもがいる家庭に対して、令和7年度佐倉幼稚園への入園希望アンケートが行われましたが、令和7年度入園希望者は去年の「こうほう佐倉」に大々的に議決前の閉園方針を載せたため、閉園確定と勘違いした市民が他園に入園をしてしまった可能性もあること、4歳児は既に3年制保育の民間幼稚園に入園している家庭も多いことから本来把握するべきは、令和8年度入園希望、令和9年度入園希望の調査であると考えます。
また、他市では教育委員会が方針を策定した後広く市民向けに説明会が開かれ、決裁権のある教育長や市長が直接市民に説明をする機会が設けられていますが、佐倉市は昨年度も今年度も、市民向けの説明会は開かれておらず、多くの市民は公立幼稚園の閉園可否が市議会で問われていることも知りません。
佐倉幼稚園は創立110年を超える全国的にも稀有な公立幼稚園です。長年積み重ね、築き上げてきた温かな幼児教育を提供できる風土と得難い知見、また地域の中でどのような存在としてあり続けてきたのか、そういった事柄に目を向けず、安易な検討のみで閉園を決定することはしないでください。
佐倉幼稚園はまだまだ可能性がたくさんある幼稚園です。その可能性をどう今後の佐倉市に活かして行けるのか、市民を交え丁寧に話し合いを進めていただきたくお願い申し上げます。