陳情第30号 「年金削減を中止し制度改善を求める」意見書採択の陳情
受理日:平成25年8月26日
付託委員会:総務
付託日:平成25年9月9日
審査日:平成25年9月17日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成25年10月1日
議決結果:不採択(起立少数)
【要 旨】
「社会保障制度改革国民会議」の報告は、将来的な社会保障制度の基本に“自己責任”論による「自助・共助」を強調し、財源に「消費税と保険料」を主体とし、給付は「重点化・効率化」の名目で国の責任を後退させる方向を示しています。さらに“給付と負担”を天秤にかけながら世代間で対立させ、最終的に国民に“給付減と負担増”を強いる政策は、超高齢化社会に逆行するものであり黙って見過ごすことはできません。
年金については、今年10月から「特例水準の解消」と称し3年かけて2.5%削減し、引き続き「マクロ経済スライド」で毎年1.3%程度を削減し続け、さらに支給開始年齢の引き上げも視野に入れています。このような“年金を下げ続け”て低所得者に負担を強いる政策は、高齢者のみならず現役世代の将来設計と年金への信頼を失い、購買力の低下を招き、国民生活と地域経済に多大な後退をもたらすものであり納得できません。
これまで本議会には「年金削減の中止」を求めて3回にわたり陳情させて頂きました。しかし残念ながら採択されていません。住民福祉に責任を負う地方自治とその議会として、年金削減がもたらす市民・高齢者の生活と地方経済への影響などを検証し、国に対し「年金引き下げの流れ」を止めるべく明確な意思表示をして下さい。
【理 由】
(1) 佐倉市の年金受給者への給付総額は年間715億円に及び、市財政438億円の1.6倍、市内小売業売上げ額1,241億円の57.6%に相当し、地域経済への影響は重大です。
(2)政府は2000〜02年の「特例措置分2.5%を解消」するとしています。佐倉市の年金受給者一人当りの単純平均受給額は月6.7万円と低額です。しかも2001年から11年間で約11%と減額し続けています。税金や社会保険料などの負担増で可処分所得は減少し、生活必需品の値上げもあり、「特例水準解消」の根拠は全て消滅しています。
(3)年金生活では貯金などにまわす余裕はなく、生活費を切り詰め病気や介護などに備えて節約しながら、買物は地元で行い地域経済に貢献しています。
(4)最低保障年金制度の実現は、無年金・低年金者を救い男女格差を縮小し、生存権を保障するものであり、政府は速やかに国連勧告(2013.5)に責任を果たすべきです。