陳情第20号 社会保障としての国民健康保険制度を守り、改善を求める陳情書
受理日:平成24年8月22日
付託委員会:総務
付託日:平成24年12月3日
審査日:平成24年12月10日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成24年12月17日
議決結果:不採択(起立少数)
【陳情趣旨】
県内の国保加入世帯の23%にあたる241,201世帯が国民健康保険料(税)を滞納しており、その内の19,878世帯は病院の窓口で一旦医療費を全額支払わなくてはならない「資格証明書」、有効期限の短い「短期保険証」が87,743世帯です。(2011年6月1日現在)
私たち社会保障推進千葉県協議会が行った県内各自治体へのアンケート調査によると、滞納世帯の約8割、資格証明書世帯の8割以上が年所得200万円以下の世帯です。県は資格証明書の発行にあたっては「個々の実情を十分勘案」するよう市町村に指導しているとしていますが、国による資格証明書の義務付けと自治体の人員不足のもとで、「特別な事情」の把握などきめ細やかな対応ができていないことや収納率アップのために差押えを強化し、滞納者の生活実態と切り離された徴収業務が先行する実態も明らかになっています。
国はすべての医療費を県内全市町村が共同で負担するしくみを2015年度に創設し、市町村国保の財政運営を都道府県単位に広域化する方向です。都道府県知事の多くが都道府県単位化に反対している大きな理由は、抜本的な財源問題の解決なしには国保問題の解決はないからです。滞納世帯が増加する背景には、高すぎる保険料、非正規雇用者の増大などの新たな貧困層の拡大があります。また、皆保険制度達成時に1割にも満たなかった「無職者」が今や5割を超え、その多くは退職者の高齢者となり国保制度の構造的な問題が原因にもなっています。
国民健康保険制度は、憲法25条に基づく「社会保障と国民の健康の向上に寄与する」国の制度です。支払能力を超える保険料の負担、取り上げられる保険証、そして手遅れ死亡事件の発生、これらは、国民すべてが安心して医療を受けられるようにしようという国保の目的とは逆行するものです。
つきましては、保険料(税)が、くらしを圧迫している実態の中で、応能負担を基本とした保険料(税)の実現を求めるとともに、だれもが安心して医療が受けられるよう、下記の事項を陳情致します。
【陳情項目】
1.下記の事項について国と関係省庁へ意見書を提出してください。
@資格証明書発行の義務付けをやめること。
A国保への国庫負担率を抜本的に引き上げること。
以上