陳情第4号 公設公営保育所への特定財源の復活に関する意見書を国に提出することを求める陳情書
受理日:平成23年8月18日
付託委員会:文教福祉
付託日:平成23年8月29日
審査日:平成23年9月6日
審査結果:不採択(可否同数)
議決日:平成23年10月3日
議決結果:不採択(起立少数)
【陳情の趣旨】
貴議会にて、国に対して、「公設公営保育所への特定財源の復活を求める」意見書を提出してください。
【陳情の理由】
日本の保育制度は、戦後の混乱期に、市町村の保育実施義務・最低基準の設定と改善・費用の公的負担を明確にして、児童福祉として位置づけ、企業参入も永続性などを理由に認めませんでした。この法の精神と経済発展・国民の意識向上などが相まって、保育の実施水準は市町村で改善が進みました。
しかし、国は、最低基準をいっこうに改善しないばかりか、国庫負担割合を8割から7割・5割へと削減させたため、市町村の保育水準と国の基準との乖離が大きくなり、市町村の超過負担が大きく膨らみました。さらに国は、負担金から補助金・交付金へと、また、公設公営保育所は一般財源化で、保育所運営費などがどれだけ入っているのかがわからない制度としました。
そのため、公設公営保育所の運営が困難となり、非正規職員が急激に増え、全県で1/3を超えるまでになっています。過半数を超えている市町村も少なくはありません。このことは、公設公営保育所の保育者集団の機能に大きな影響を与え、保育の質にも構造的な悪影響を与えているものと思われます。
今一番大きな問題は、待機児解消ですが、県内の保育所の6割強を占める公設公営保育所が老朽化や民営化などで減らされていくなか、定員超過入所を際限なく続けても、民間保育所だけでは待機児を解消することができません。また、子どもの少ない地域では、採算が取れないため企業や民間の保育所は進出せず、公設公営保育所で対応するしかありません。
待機児解消は、現存する公設公営保育所の維持や無認可保育所の保育環境の改善なくしては実現できず、公設公営保育所の整備なくして待機児解消はできません。
以上より、貴議会から、国に対して、「公設公営保育所への特定財源の復活を求める」意見書を提出していただくことをお願いするものです。