陳情第2号 「子ども・子育て新システム」導入に反対する意見書を国に提出することを求める陳情書
受理日:平成23年8月18日
付託委員会:文教福祉
付託日:平成23年8月29日
審査日:平成23年9月6日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成23年10月3日
議決結果:不採択(起立少数)
【陳情の趣旨】
貴議会にて、国に対して「子ども・子育て新システム」の導入に反対する意見書を提出してください。
【陳情の理由】
県内の保育所は、平成22年調査で耐震診断実施率が68%、耐震化率が72%といまだに十分ではなく、待機児童数も1,400人を超え、保育所耐震化の推進と新増設が急務となっています。しかし、国の公設公営保育所をつくりにくくする方針のもと、公設公営保育所は減少しつづけています。さらに国は、公設公営保育所を削減させ、営利企業に保育所運営を委ねるために、60年以上前に定められた最低基準の引下げを可能とすることを目的に国の最低基準を廃止し、県などの条例化にすることとしました。このことは、最低基準を維持することが根拠であった国の補助根拠をも無くしたことになります。そのうえで、国が新たに導入しようとしている「子ども・子育て新システム」は、営利企業参入促進を目的に、直接契約・利用者補助・応益負担を柱とする制度で、市町村が保育に関与することを実質的に排除するものです。このことは住民の福祉を守るという地方自治機能の破壊であり、保育所の申し込みの一元化をなくすことで待機児童の解消にも逆行するものです。さらに今年3月11日に発生した大震災は、公設公営保育所や正規職員の必要性を明らかにしましたが、これにも逆行する制度です。今後30年以内に70%以上の確率で発生するとされている直下型地震に対して、今回の震災の教訓を生かす仕組みをつくっておくことは首都圏という人口密集地であることを考えた時、非常に重要なことです。このような時期に認可保育所ではなく、災害時にも保育実施責任をもつ必要がない保育所をつくり、営利企業に乳幼児の生命・発達・成長を委ねるという制度を国会での十分な議論も無く拙速につくることは絶対に阻止しなければなりません。
以上より国が導入しようとしている「子ども・子育て新システム」に反対する意見書を国に提出していただくことをお願いするものです。