発議案番号 | 発議案第3号 | 提出者 | 冨塚忠雄 戸村A治 工藤啓子 |
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議決年月日 | 平成17年12月19日 | 結果 | 否決 |
厚生労働省は、10月19日、2006年度から実施する項目を含む「医療制度構造改革」の「試案」を発表しました。 この「試案」を「国民的論議のたたき台」として社会保障審議会・医療保険部会で引き続き審議すると共に、経済財政諮問会議や社会保障の在り方に関する懇談会などで議論を進め、それを踏まえて年内に政府・与党案を取りまとめ、来年の通常国会での法案提出を目指すとしています。「試案」では、高齢者の患者負担を強化する考えにたって、主として次のような改定を図るとしています。 1.2006年10月から、@現役並みの所得を有する70歳以上の患者負担を3割に引き上げる。A75歳以上の患者負担は1割にし、65〜74歳は2割負担とする。ただし、現役並みの所得を有する者は3割負担とする。B長期入院患者の食費・居住費を自己負担にする。C高額療養費の自己負担限度額を引き上げる。 2.2007年4月から、D標準報酬月額の上下限の範囲を拡大し、保険料を引き上げる。E傷病手当金、出産手当金などの支給要件を見直す。 3.2008年4月から、F新しい高齢者医療制度を創設し、75歳以上の後期高齢者だけの健康保険制度をつくり、その保険料を年金から天引きする。G65歳以上の前期高齢者は、現行の制度に加入しながら前期高齢者の新制度をつくり、その保険料は年金から天引きする、などというものです。 この「試案」を作成する過程で社会保障審議会に部会委員を出している医師会、市長会、健保連、連合などは揃って反対したり、異議を唱えたりしています。 「試案」は「医療制度構造改革」という名称になっていますが、要するに医療給付費を抑制し、政府の財政負担を縮小するために、患者・高齢者・保険者・被保険者に負担を転嫁する「負担増案」になっています。老いに伴って医療費負担が増加するのは事実ですが、その負担をお年寄りに求めるやり方はその場しのぎの対処療法でしかなく、何ら抜本的な解決にはなりません。 若年層などの雇用確保や「規制緩和」による不安定な雇用状態を根本から改善するなど、医療・年金などの社会保障費の負担構造そのものを変えなければ真の医療制度構造改革にはなりませんが、この「試案」に長期的で抜本的な改革の展望を見いだすことが出来ません。 よって、佐倉市議会は、「医療制度構造改革試案」には強く反対します。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 平成17年12月19日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 衆議院議長 参議院議長 |